都の騎士団長であるヤキム・ベルカは、永いあいだ北の森で眠りについていた魔物である。
自分を眠りにつかせた相手であるエルとは、ヤキムが魔物時代からの付き合いで友人と呼べる関係だった。今や魔術師の最高峰である魔術塔室長となっている彼は、昔とは名
前も変わってしまっているため過去のことは忘れたいのだろうと極力関わらないようにしている。
魔物時代からエルのことが好きだったヤキムは、エルのためなら何だってしてやれる。一人で永い眠りにつくことも、人に姿を変えて生きていくことも、エルを抱くことさえも。
『塔の上で会いましょう』に出てくる二人の上司のお話です。『塔の~』より少し前の時間軸です。そちらを読んでいなくても読めるかと思います。
魔物×魔術師ですがR18描写は人型の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-31 00:00:00
3431文字
会話率:15%