物語の原点。どんな男が現れるのか乞うご期待
最終更新:2022-01-07 20:00:00
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明治の名残が色濃く残る町―――花町。
毎夜、人でない者が彷徨く花町で、ある晩、ユカリ子は絶世の美少年に声をかけられた。
「見付けたぞ、鬼女」
まだ幼いその少年は、数日前ユカリ子が交わった男の弟だった。
敵意を露にする少年。
しかし
どうにかして美少年を喰らいたいユカリ子は、か弱い女の振りをし、少年をたぶらかそうとしたが―――
「頭が高い、そこへ直れ!」
見事に返り討ちにあったユカリ子は、そこで少年が自分を探していた理由を知る事となった。
「さっさと止めを刺してちょうだい。焦らされるのは嫌いなんだよ」
「ならば焦らしてやる。好きなだけ苦しめ」
幼く美しい少年は、鬼よりも鬼だった。
「焦らされるのは嫌いだと言っていたな。これからたっぷり時間をかけてお前の血肉を喰らい尽くしてやる。―――僕は鬼になどならない」
少年の目的の為、捕らえられ軟禁されたユカリ子だったが、ユカリ子もまた少年を喰らう為に虎視眈々と機会を狙っていた。
そんなおかしな同居生活が続くなか、花町ではある事件が起こり―――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-30 12:14:40
3685文字
会話率:29%