「自害をすればよかったと思われる事もございましょうが、若姫様のなさりように御家の存続すらかかっておりますことを、肝に銘じておられませ。」
男として育てられ、いずれは跡目を継いで繁栄を望むために、武芸に励んできた。それを突然おんなとして生き
ろと言われたのかと思ったが、色小姓として出されたと思えば自分の惑いを無理やりにでも納得させることができる。
「私の体が、おんなであるだけだ」
幼馴染の兄弟のところに、生贄同然の捕虜として向かった巻江は、自分が「おんな」であることを思いしらされ――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-01 19:43:57
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会話率:48%