江戸の片隅、歓楽街の奥に佇む小さな筆細工店「筆屋」。
そこには、己の身体を“筆の試し台”と差し出す少女・CHAがいた。
訪れた浪人・ヨシ衛門は、快楽の墨を筆に宿す“異能の男”。
筆先が肌をなぞれば、蜜が鳴き、鈴が鳴り、悦びが響く――
背中に
書かれる愛、芯に注がれる音、口に咥える筆の儀。
筆を通じて描かれるのは、愛か、欲か、それとも命の契りか。
ふたりが交わした“最後の一筆”は、
江戸の夜に咲く、誰も知らない恋の詩(うた)だった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 14:27:28
21100文字
会話率:27%