人材不足と犯罪率増加の問題とが逼迫した日本。これといって特徴も長所も持たず、なんの夢も熱意もなしに大学を卒業して社会に適当な働き口を求めた男・山田は、やはり人材の低減に業務を脅かされている刑務所に就職の目星をつけたのだった。
見習いと
して退屈な研修を受けさせられる毎日を送っていた彼は、ある日服役中の受刑者を使用した管理演習を受けるべくその刑務所に赴いたのだが、彼の目の前に引っ立てられた“練習台”はあろうことか女の受刑者で⋯⋯。
刑務官になるべくして訪れた男。受刑者として研修に使用される女。互い相容れない存在の接触が、次第に彼らの精神を、そして人生そのものを深く捻じ曲げてゆく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-02 21:07:34
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会話率:20%