下薬研 (しもやげん) との地権争いで前田 (まえだ) の勲さんは加納莞爾さんに先立ち勝つための下地を作ってから勝負に挑みました。 それは現政権に加担することでした。
入谷村はこれまで何かにつけて下薬研 (しもやげん) の所属する地区
に負けていました。 資源的には互角以上のものを持ってはいるんですが団結力では圧倒的に不利だったんです。 例えば左官屋など、かつては入谷村が所属する農協支所にほど近いところに本家があり営農指導のお蔭で栄えていました。 ところが欲が出た村人は本家に対し跡取りに酒と女をあてがい動けなくしたところを本来仲間であるはずの近所に片っ端から喰われ (喰わせて) てしまったんです。 これが上手くいくと同じようなことが村中で行われ入谷村の所属する地区は隣人同士疑心暗鬼に陥り崩壊の危機に瀕したのです。
これを救ったのが上 (うえ) の実さん、紙屋 (かみや) の真一さん、前田 (まえだ) の勲さん等からなる村の青年団でした。
下薬研 (しもやげん) の所属する地区が選挙運動で意見がふたつに割れ争うのを見た村の青年団は村民を結束させ里に対抗し里の議員ではなく村の代表を村挙げて推し町長選に打って出たんです。
その時代ですので賄賂の花盛り、金権選挙ではありましたが結局議員すらやったことのない漢が選挙に勝ち町長として施政方針の大変換 (同等の権利を得るよう変えた) を敢行したんです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-01 06:00:00
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