三十一歳の寺島リョウタは、ある金曜日の夜、仕事帰りに寄ったネットカフェで一人の少女に出会う。少女の名前は岩咲キョウカ、小学六年だった。
とあるアイドルのコンサートで遠くの田舎町からやって来たらしいが、公演は急きょ翌日へ延期になり、しかも泊め
てくれるはずだった友達にも断られ行き場がないという。あれこれホテルの宿泊を手配しているうちに、一晩だけ自宅マンションへ泊めてあげることになってしまった。
素直で可愛らしいだけの少女だと思っていたのも束の間。彼はキョウカの持つ奇妙でアンバランスな魅力に惹かれ始める。眼前で見せつけられ告白される彼女の欲望に抗えなくなった彼は、ついに一線を越えてしまう。
キョウカを通して出会い、絡み、離れてゆく人間の群像劇――。
サキとジュンヤの物語を遡ること半年。
キョウカや瀬ノ宮親子の元を離れて三年の寺島リョウタへ、ある日、忘れかけていたメールがルイから届く。
中学の卒業式だという彼女と久々に会ったリョウだが、昔を手放しに懐かしむことは出来なかった。
クライマックスへと向かう第五部、ついに完結! 2016.4.25折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-04 10:07:03
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会話率:52%