昭和49年、弘明は学生最後の年を長崎の歓楽街思案橋で迎えていた。かつて女郎屋が並んでいた花街、橋の袂で行こか戻ろか、懐を思いながら悩むのはいつの時代も変わらず、男は酒と女を求めて橋を渡る。そんな街へ引っ越した弘明、4年になったものの卒業は定
かではない。思案橋で夜のバイトに精を出す。華やかな夜の世界の裏を見て、弘明がキャバレーの歌手と出会ったのは、春雨が降る深夜の思案橋横丁。世知辛い世の中、酒と女に溺れる大人を疎み華やかな女を追う弘明、いったいどこへ行こうとするのか。
(この作品はエブリスタ・アルファポリスに掲載していますが、少し違う本編バージョンです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-30 22:44:36
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