誰もが認める不細工である男爵、イール・シクラスは考えていた。
どうしてこうなったんだっけ?っと。
彼は今日、めでたく結婚式を挙げ既婚者となったのだ。
しかも相手はこの国一番の見目麗しい公爵であるカシュル・クレマティ。
誰もが羨む結婚である…
…が、この結婚を唯一羨んでいないのは結婚したはずのイール本人であっただろう。
迎えた初夜の寝室から逃れるようにして隠れた狭いクローゼットの中、この扉が開かれるまでイールは何度でも何度でも考える。
どうしてこうなったんだっけ?と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-09 23:34:57
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