メランジュール騎士養成学校の講師兼獣医のリシュリー・リンドは焦っていた。
卒業式の朝だというのに、支度を邪魔してくるえっちな手がある。メランジュール国の末の王子で、騎士学校の生徒会長でもあるシュヴァルが、「リシュリーには赤よりも似合う色があ
るよ」と余裕の笑みでキスして口紅を奪っていく。
こんな色っぽい王子様だけど、6年前は可憐な美少年だったんです。
リシュリーはシュヴァルとの6年間に思いを馳せる。二人には秘密があった。誰にも知られてはいけない二人だけの特別授業。残るはいよいよ、卒業試験のみ。
試験が終わったあとの二人に待っているのは、別れ?それとも──?
※藤原いつか様主催「R18卒業文集2020」企画、参加作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-12 06:00:00
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会話率:47%