アラサーになっても正義のために悪と戦い続ける変身ヒロイン・緑川ミチカと桜井マキは、その凛々しいイメージからは想像もつかない被虐願望を持っているマゾヒストだった。
頼れるお姉さん系ヒロインとして人気な二人は、「Mなのに、彼氏からはSっぽくあ
ることを求められる」ことに悩んでいた。そこで、“百合界のWセンター”と呼ばれているほどにCPとしては認められていることを利用し、彼氏との関係とは別に、マゾ同士でお互いの内なる欲求を発散できるような関係を築こうとしていた──。
★『私だって、女の子(ヒロイン)でありたかった』──桜井マキの目線
背の高いショートカットのスポーツ少女として部活に没頭してきた私は、同性からは“憧れ”の存在に、異性からは“姐さん”と呼ばれる存在になっていた。でも、本当は「女の子として見てほしい」という悩みを抱えていて、運動神経を活かしてアクティブに戦う変身ヒロインとなったのも、扇情的なコスチュームを着て周囲から“女”として注目されたいという想いからだった。
ただ、戦士として活躍するほど私のイメージは強固になっていって、「彼氏に甘えてみたい」「守るのではなく、守られたい」「屈服させられたい」という願望はなかなか叶えづらくなっていった。
☆『私、頑張ってるよ。だから…ちゃんと見てよ』──緑川ミチカの目線
エリート夫婦の娘として生まれた私は、幼い頃から武道・学問・芸術すべてにおいて秀で、かつ女としても魅力的であることを求められていた。でも、多忙かつ理想が高い両親は私がいい成績を残しても褒めてくれないし、寄ってくる男たちは私の内面も見ずに『愛してあげるから、自分の願望を叶えてほしい』という欲望が透けて見える人ばかりだった。
正義のヒロインになったのは、身勝手な人たちに対する憤りというか、ストレスもあったと思う。ちやほやされてないと自分を肯定できなくて死んじゃうみたいなメンヘラっぽい理由でもないし、両親に娘として認めてほしかったからとか、そんなマキみたいに健気な理由でもない。
今ではちょっとしたモデルさんくらいの地位があるけど、欲しかった何かを得たという実感はない。なのに、後輩や彼氏から求められる“大人のお姉さん”的なイメージはどんどん膨らんでいって、応えることにちょっと疲れている。
こんなにボロボロになってまで私が欲しがったのは、一体何なのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-28 22:22:09
15040文字
会話率:44%
スーパーキノコでお姉ちゃんが20mに巨大化した。意外と萌える?
最終更新:2012-09-18 00:02:20
10357文字
会話率:16%