朝起きると目にするいつもの光景。
テーブルの上に食べかけのカップ麺に大量の空き缶。
慣れた手付きで柚葉(ゆずは)は両親が起きて来る前に急いで片付けていく。
少しでも片付けが遅くなると、両親に見えない所を殴られ蹴られるからだ。
学
校の先生にも相談してみた。
けれど、両親は大企業に勤めているから嘘も上手で、忙しい両親を困らせる悪い子認定された。
だから大人に相談することも諦めた。
そんなある日、帰って来た母親が包丁を持って柚葉の目の間に立つと柚葉の腕を斬りつけた。
「アンタなんか産まなきゃ良かった。」
という台詞つきで。
頭が真っ白になった。
ジンジンして斬られた傷口が熱い。
幸い傷は深くは無いけれど血が止まらない。
柚葉はやっと状況を理解すると、睨みつけてくる母親に取り敢えず謝り、タオルを腕にまき泣くのを我慢して家を飛び出した。
そんな時に出逢った不思議な力を持つ1人の男の子。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-17 21:16:36
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