幼き頃からひとつの幻覚を見続け、その幻とともに生きてきた18歳の冀。
格式高い学園に籍を置きながらも、現在冀は「とある理由」から引き籠もり状態の生活を送っていた。
そんなある日、祖母の呼び出しのもとに、冀は祖母からの『お願い』という名の決定
事項を告げられる。
祖母が選び抜いた4人の男性候補者の中から、冀が選んだ男性を祖母が現在も経営を一手に担う世界的グループ会社の次期後継、尚且つ冀自身の伴侶と定める、と。
ありえぬ祖母からの『お願い』に頭を抱えてしまう冀。
突然降ってきた様々な難題に混乱し、迷走していた冀はそれ故に気付けなかった。
幼き日から傍らに存在し、見続けていた幻覚が徐々に変化をはじめていたことに。
「幻」が己の意志を持ちはじめているのだということを―――――――――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-14 02:46:40
9258文字
会話率:27%