鹿野文明(しかのふみあき)、三十歳。ゲイ、独身、無職、宿無し。同性のパートナーと離婚したばっかり。
そんな彼が頼れるのは、十五歳年上の義理の兄、鹿野正直(まさなお)。
傷心の文明は、ニューヨークにいる義兄を頼って渡米するが、やがて風の噂に、
行方不明になっていたかつての恋人二人が、生きているらしいと知る。
その恋人、早坂亮一(はやさかりょういち)と国分秀介(こくぶしゅうすけ)は、北海道のとある町で、花屋を営んでいた。
交通事故を起こしてしばらく記憶喪失だった亮一の面倒を診ながら、秀介は家族の捜索から逃れるため、しばらくは居場所を転々としながら暮らしていた。
それでも、真実を打ち明け、過去と決別しなければ新しい人生は始まらないと悟った時。彼らは戦う決意をした。
二十年の時をかけて、やっと三人の愛は成就する――――のか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-12 20:24:34
321395文字
会話率:47%