地元の誰でも入学できる短大に通う19歳の青山優香は、短大に入学後にスポーツジムのアルバイトを始めた。そのアルバイト先の忘年会に参加した優香は未成年であるにもかかわらず、お酒を一気飲みし、酩酊状態になり、そのアルバイト先で出会った友人の宮元
美鈴と小野寺葵に介抱されて、最寄り駅の交差点をわたっていた。その交差点の曲がり角から唐突に現れた2トントラック、その鉄の巨塊は猛然と優香たちに突っ込んで来た。そして、そのトラックを避けきることができずに優香、美鈴、葵の3人は死んでしまったはずだった。
しかし、死んでしまったはずの優香、美鈴、葵の3人は、草原の上で目を覚ました。私たちは死んだはず、そう訝しげに草原を歩き出した彼女たちは、その道中で全身を甲冑で身に包んだ中世ヨーロッパの騎士と出会い、しかし、市民としての証明がないという理由で捕縛された。騎士の男が欧州人であると考えた彼女たちは日本から来たと騎士に伝えたが、騎士はそんな国は知らないと撥ねつけ、ここはヴェルク・クンスト王国という国だと私たちに伝えた。見たこともない魔法のような力を優香たちに見せつけてもきた。
そして、騎士は、このヴェルク・クンスト王国の市民証明書を持たない彼女たちが、奴隷になるしかないと告げた。その上で、40歳未満の女性奴隷は、王国の娼館で娼婦として奉仕するか、あるいは、王国の神事として開催されるキャットファイト(闘技試合)を行うキャットファイター(闘技者)になる道しか残されていないと騎士は彼女たちに告げた。騎士曰く、闘技者として勝ち続ければ、奴隷身分から脱し、市民としての身分を獲得できるチャンスもあるらしい。
その話を聞いた優香たちは迷いながらも、キャットファイターとなる道を選ぶ。
そして、キャットファイターとなった優香が足を踏み入れた闘技場では、魔法のようなスキルを使って戦う女性剣士、弓兵(アーチャー)、祈祷師(プリースト)、そして杖とローブを装備した魔法使い(ウィザード)たちが、闘技試合で身を削っていた。
だが、優香たちはまだ知らなかった。
その闘技試合に敗れたキャットファイターに恐ろしい制裁が与えられることを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-05 07:03:46
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