始まりは中学生。
【いい子】だったはずの斎藤遊馬(さいとうゆうま)は、少しずつ両親に対する違和感を覚え始めた。イライラが募って仕方がない。だから、最初はその憂さ晴らしだった。クラスで一番暗くて地味な少年に、意地悪をした。でも知っていけば
、苛めたいという気持ちも薄れていった。遊馬はやがて、反抗期を迎え、親の元を飛び出す。行き場をなくした遊馬を拾ってくれたのは――
【いい子】だった釘宮響(くぎみやひびき)は、誤解されやすかった。感情の出し方が下手くそだった。友達もうまくできないし、女の子には怖がられる。でもそれでもよかった。一人で自分を育ててくれる、笑顔の素敵な母がいたから。でも母が事故で死んでしまう。頼れる相手も誰もいなくて、小さな古いアパートの中で響は途方に暮れた。そんな響の元に、同級生が一人、転がり込んできた。ほとんど話したこともなかったような、頭のいい優等生の男の子が――
※同性に対する恋愛感情を元にした、友情と恋愛の狭間の物語です。
※以前投稿していた同タイトルの小説の、リマスター版です。登場人物の名前が以下のように変更になっています。カクヨムでも連載中です。
六車涼平→釘宮響
安室司→斎藤遊馬
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-11 08:46:20
69314文字
会話率:66%