雪の降る二月のある日。
春告(はるつげ)は夫の遺したアンドロイドの木蓮と、いつも通りの一日を送るはずだった。
ーーねぇ、春告。今日、何の日か知ってる?
節分、建国記念の日、バレンタインデー。立春に雨水。そして夫の命日。
どれも違うと途惑う春
告の前で、木蓮は彼の中に仕舞われた想いを薫らせて、彼女を絡めとっていく。
これは天才技師と名高かった男の、死後も続く愛と執着のお話。
芥川柚個人脳内バレンタイン企画『愛するあの子にチョコではなく物語を贈ろう』の作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-05 23:39:02
48722文字
会話率:19%