森の奥深くには、美しい温室があった。咲き誇る花の香りに捕らわれると、心の奥底に秘めた願望を叫んでしまうという。そして、真実の愛を希うと、茨の檻の主はこう、囁いた。
「有る者は私を聖女と呼び、有る者は私を魔女と呼んだ。私が肉体を持っていたの
は遥か昔。しかし、必要な時には時を渡り、様々に姿を変え存在することが出来る。私は私の温室に咲く花に関わる事象に介入し、そして時に傍観する。一番美しく、そして愚かに花が咲き誇る様を愛で、時に摘み取る」
真実の愛を望みながらも、渇愛に狂い、幾重にも絡み合う男女の愛の形の物語。
ハッピーエンドが読みたい方は、リターン推奨です。バットエンドで悶々としてしまう方用にダブルエンディングにしようとは思っていますが、話の性質上、出来ないものもあります。各章の前に警告文を入れるので、必ず確認してからお読み下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-07 18:00:00
276657文字
会話率:36%