もうひとつ、三島には問題がある。
三島の弟は、三島を好きすぎるらしい。
普段は大学の運動部専用寮に拘束されている彼にも、夏休みの一日くらいは自由が与えられるだろう。
「神原くん、しばらく一緒にいて欲しいんだけど」
三島が頼
み事なんて珍しい。
それに、実際この目で、問題のある弟とやらを見てみたい。
「一人でいたら危険か」
「高校生くらいの頃からは、密室で、二人きりで会ったことがない。何をされるか判らない」
「何回聞いても凄い話だな」
「身の危険が差し迫っているついでに、俺の弟に対する劣等感もひどい。弟と俺では、真夏の向日葵と真冬の枯れ草くらい違う」
「お前が劣等感かよ。似合わないな。お前はお前の道を行けばいいんだろ。ずっとそうして来たんじゃないのか」
「そうなんだけど、弟のことを考えると卑屈になる」
派手でアウトドアな攻め、神原が、地味でインドアな恋人、三島に振り回されるコメディ。
俺様攻めに見せかけた不憫攻めと、ドM受けに見せかけたドS受けによる軽いタッチの。爛れながらも平凡な大学生の日常を描く「アクアリウムシリーズ」6話目。
インドアで根暗なメガネ青年、三島に存在した、問題のある弟の恐怖の愛の話。
性描写を含みます。弟→兄あり、派手攻め×地味受け、総受け要素あり。
この話は「爛壊書簡」(http://rankai.sakura.ne.jp/top.html)に掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-19 02:48:39
3311文字
会話率:40%