うちの高校にある屋内プールで、夜中に一人泳ぐ先輩がいる。ぼんやりと暗いプール室で、天窓の月と先輩の身体だけが白く輝いている。
彼女は女子水泳部のキャプテンであり、俺がこっそり憧れていた先輩だ。顔よし、スタイルよし、頭脳よし、運動神経よし。こ
の一週間、こうしてそんな先輩の夜の水着姿をこっそり眺めている俺……明らかに不審者ではあるが、どうやら先輩にバレてはいないようだ。
……と思っていたそのとき、先輩がふいに口を開いた。
「――――――ねぇキミ、わたしに何か用でもあるの?」
その一言から、プールサイドで俺と先輩の夜想曲(ノクターン)が鳴りはじめたのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-19 22:11:59
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