大学一年生になった俺がまずやらなければいけないことはアルバイト探し。親に出してもらっている学費の足しに少しでもなるようバイトをしたいと思って。さっそく大学の就職課で紹介してもらったアルバイト先に行ってみると、そこは少し変わった職場だった。ド
ア横に社名のプレートもない。事務所にたった一人でいた女社長が対応してくれたが、妖怪だとか、魔法だとか、胡散臭い言葉がどんどん出てきて。しかもここは日本支部だと言う。もう何が何だかわからない。これはとてもヤバイのではないかと、どうにかして事務所を出ようとタイミングを計っていたら。そこへさらに、大学の就職課でバイトを紹介してくれた職員の人が事務所へやってきた。その人もここで仕事をしているらしく。二人とも人は悪くなさそうだが胡散臭さが増す中、とりあえず一度仕事をしてみることに。俺の仕事は、大学の職員でもある加納さんについていって、コーヒーを渡すことと、周辺住民から不審者として通報されないようフォローすること。そして加納さんの仕事というのは、いなくなった子供を探すこと。さらった輩はどうも人間じゃないらしく、姿が見えないらしい。加納さんには見えるけど俺には見えないから危険はない、と説明をうけたものの、雲をつかむような話にやっぱりよくはわからない。それでもバイト代の良さにやることを決めた俺は加納さんとともに翌日の夜の八時、事務所を出る。勤める大学の学生を酷い目にあわせたりすることはさすがにないだろう。そして二人の話が本当かどうか、わかる時が来た。
ゆるいBLです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-24 00:00:00
18200文字
会話率:51%