好きな人がいる。私より18も年上で、ぼさぼさ頭にいつも着ているのは絵具がついた白衣とビーサン。童顔を隠す為に無精ひげを生やすその男は、やる気があるのかないのかわからない四十路間近のアート教授だ。彼の事がもっと知りたくて、彼が教えるクラスばか
りを取って来た。だが、大学4年生になり、卒業式まであと僅かになった頃。作品を通してではなく、彼の目でちゃんと私自身を見つめてもらいたいと願った私、アリア・マクレイアは、大胆なお願いを口にする。「トーマ、私を描いて」――服を脱いで彼のモデルに懇願した私は、一か八かの賭けに出た。◆橘志摩様主催の「枯れオヤジ愛企画」遅刻作品です。◆5話未満で完結します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-07 21:00:00
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会話率:42%