熊谷陽奈子は24歳の会社事務員。陽奈子が13歳の時母が熊谷金属の社長みつると再婚した。だが、母は半年ほどで病気で亡くなりそれから陽奈子は熊谷の家でお手伝い同然のように扱われてきた。義理の姉かえでは陽奈子に意地悪をしたり嫌味を言っても、父親の
みつるは知らん顔だ。それでも陽奈子は日々の家事手伝いをしながら大学にまで行かせてもらった恩もあるからと大学卒業後この会社で働くことにした。ところが会社が不渡りを出していたことに気づき父に知らせる。すると父から四つ葉ローンから融資を受けるために、四つ葉ローンの社長の息子田所雄一郎とお見合いをするように言われる。最初は断ったが、お見合いだけして断ればいいと言われ仕方なくお見合いをする。だが、結婚の話はあっという間に決まり陽奈子の意見など聞いてはもらえる状況ではなかった。陽奈子は結婚式当日やるせない気持ちで式場に向かった。どうして自分ばかりが…そして陽奈子は式場の目前で転んで意識を失う。気が付いたときにはもう一日過ぎていて結婚式が無残なことになったことを知る。そこに現れたのが獅子堂尊という男性だった。彼とはお見合いの日に偶然会っていた。陽奈子は彼の提案した記憶喪失のふりをするという案に乗ることにした。だが、これから先はどうすれば…獅子堂尊は自分のところに来ないかと誘ってくるが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-20 06:30:29
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会話率:38%