2つの大きな帝国に挟まれたスワノフ王国の公爵家筆頭であるトロワ・テルミナスは『毒』に悩まされていた。平民に近いリンデン男爵家のカサンドラとトロワの婚約は前公爵の熱烈な要望で結ばれた。それはカサンドラの測定不能な魔力を公爵家の血脈に引き入れる
ためのもので、『魔力無し』のトロワにとっては父親の意思を受け入れただけのものだった。しかし、周囲のトロワに対する羨望の目や噂に惑わされ、思慕の末、媚薬まがいの『毒』をトロワに7回盛ってしまう。カサンドラはギフト『毒』を持っていたのだった。それでも律儀に婚約関係を守っていたトロワだったが、ついに年末の夜会で激高しカサンドラを罵倒してしまう。口論の末、カサンドラは一人会場を後にするが、乗っていた馬車が事故に遭い生死の境をさまよう。目を覚ましたカサンドラは全くの別人になっており、特殊なギフトを発現していた。トロワはカサンドラに婚約解消を打診したが、あまりにもあっさりと了承されたことに困惑し疑いを持つ。一方のカサンドラはトロワに対する賠償に頭を悩ませ、新たに発現したギフトにより露呈したトロワを取り巻く悪意に対抗すべく、魔術・武術の研究に勤しむ日々を送るのだった。悩み抜いた末、7回『毒』に苦しむことをトロワへの賠償とすると伝えたカサンドラに、トロワは意外な賠償を要求してきた。
天才的な頭脳と膨大な魔力を持って生まれてしまったがゆえに操られて来た少女と、極度の女性不信を拗らせた『実質魔力無し』の高貴な公爵青年の行く末は如何に。
※毎週土曜日0時に更新予定
「生」から逃れようとした1個の魂が「愛」から逃れられず、結局雁字搦めにされて「生」かされ、「再生」する物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-09 00:00:00
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会話率:47%