リーゼロッテは我が耳を疑った。昨夜はたっぷりと愛おしんでくれた兄様――いまでは夫となったシルヴァンが、突然彼女を罵りはじめたのだ。
売女、娼婦。下賤な女。
下品に媚びる穢れた血。不細工で、頭が軽くて、抱き心地が悪くて、調子っぱずれな歌ばか
り歌う。
おまえなど、存在しなければよかった。
驚き混乱する彼女に、村の古老は告げる。これは春妖精の祝福であると。
兄様大好きなリーゼロッテと、リーゼロッテのことが愛しいシルヴァンの、溺愛甘々春短編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-09 18:46:39
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会話率:27%