第1章
「傷付け合うだけなのに、それでも傍にいなければならないのが宿命なの?!」
親友が憤ってくれた言葉は、私と貴方の運命。
『神の番』と呼ばれ、世界を見守る存在の私達には、幸せというものは得られないのかな――――?
第2章
かつて母
と愛し合った人は、母の幸せも心も根こそぎ奪い取った。
己の罪に気付いた時、母は新しく愛した人を亡くし、私という子どもがいた。
愚かな人は、亡き父によく似た私を疎み、憎んだ。
そして、その息子は、己の母と自分を顧みなくなった父親の元凶を私と母だと憎む。
笑ってしまうほど愚かな自己の『天秤』を抱えた親子に翻弄される日々に、安寧は見えるのか――――
第3章
『輪廻』 それは、貴方にとって運命を勝ち取るための道。
私にとっては、いつしか煩うことしかない道。
貴方が己の幸せを取った時、私達の道は二度と交わらないはずだった。
だから、もう関わらないで、おしつけないで。
魂と精神を引き換えにした代価を払い続ける私にとって、貴方は既に忌むべき存在――――
*このお話は、章が変わるごとに主人公も変わりますが、同一の世界で、年代を隔てたものです。1章に登場する人物達が、2章、3章の物語に大きく関わってきます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-13 13:00:00
9414文字
会話率:10%