理系女子大生奴隷誓約書2「一瞬の夏」
「横浜令嬢三姉妹 連帯責任制一括奴隷契約」
という二作(「理系女子大生雨宮凛々子」からだと三作)に連なるいわば「横浜令嬢三姉妹奴隷契約3」というべき作品です。
主人公は「横浜のホテルオーナー家の令嬢」
で一条楓花。
姉は国立の女子大学では最難関といわれる学校の文学部四年生柚花。物語の端緒は柚花《ゆうか》の親友で同じ大学の理学部雨宮凛々子から始まっているのですが、二作目「一瞬の夏」で凛々子が柚花のマゾ性に気づくのに大きな役割を果たしたのが次女楓花です。
凛々子を慕う楓花は同じ難関女子大の理学部に現役で合格します。
ふたりには、そのふたつ下に双子の陽花《はるか》という妹弟が居ます。
また母親は世界的にも著名なバイオリニストで海外公演などにもよく出かけていますが、その海外では裏でマゾの顔で音楽とはまったく異質のSMショーのステージに立つこともありました。
順風満帆だった一条家を思いもよらぬ不幸が襲います。
楓花たちの父で「ホテルロゼッタ&オリビア横浜プレミアム」のオーナーの一条|秀命《しゅうめい》さんがロンドンで交通事故に遭い亡くなってしまったのだった。
調べていくうちにそれは単なる交通事故ではなく、横浜のホテルの乗っ取りを画策した連中による暗殺だとわかってきます。
オーナーの事故死で主力銀行までが手のひらを返したように融資の引き上げを打診してくるなど外堀は着々と埋められていきました。
窮余の策として母|涼花《すずか》さんが相談したのは最終的にはあの「エスタブリッシュメントホテル東京」のオーナー三田村隼人です。
「今回の件には、英国企業であるロゼッタアンドオリビアも一枚噛んでいるというか、まあ既にその中国資本に説得を受けている気配もあるの。そこで銀行からの四十五億円を肩代わりするだけではなく、ロゼッタ側の株式三十三パーセントを買い取って、一条家六十七パーセントうちが三十三パーセントの株式を持った、エスタブリッシュメントホテル横浜プレミアムという新しいホテルにするのはどうか、と提案させて頂いているところよ」
その四十五億円肩代わりの条件が、三姉妹と凛々子で各十億母親涼花さんが五億円で五年間、エスタブリッシュメントホテルグリープが密かに経営しているSM倶楽部と「連帯責任制一括奴隷契約」を結ぶことだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-13 22:02:51
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