21世紀、人類は自らの社会の成長を規制し、ただ増え続けるしかなかった人類の人口に制約を掛けた。
その時点では成長鈍化による出生数下落でしかなかったが、人類史上最大の生物災害 男女比崩落(ジェンダー・ダウン)により混乱の中で人類のあらゆる進
歩の途絶が決定的になってしまった。
競争のない世界で男は必要なかった。完全な循環社会を達成した近未来では切磋琢磨は過去の遺物となり成長も競争も要らなくなったが、それに慣れ過ぎた人類と遺伝子がそれを不可逆的なものにしてしまった。
社会の変化は人類の遺伝子の変化まで遡及し、男が男であるために必要なY染色体の減少、男女比の格差がそこから始まった。
男が生まれにくい。人口激減で社会混乱を何十年も経験した人類は、すんでのところで同性生殖を手に入れる。
それから年月が経過し、男女比は1:200になって、女と女の禁断の恋は普遍的なものとなり、人口維持のため男子特別特区が各国に配置された。
科学技術復興派。現体制維持派。全てが絡み合い、男子を巡る謀略が始まろうとしていた。
現実世界〔恋愛〕折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-22 16:30:05
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