浅倉莉音は高校に入学した直後、一学年上の立花秀帆に一目惚れした。
秀帆と親しくなりたい一心で彼が部長を務める手芸部に入ったものの、両思いになるどころか、先輩・後輩の枠からはみ出せないまま次の春を迎えた。莉音がヘタレだから? 違う、秀帆は
実は恋愛および性愛にまったく興味をそそられないというアロマンティック・アセクシャル。フラれて気まずくなるのがわかりきっていて告るより現状維持の姿勢を貫くほうがマシ──と片恋をこじらせた結果だ。
ところで密やかな想いを嗅ぎつけたやつがいた。それは三神晴也。莉音のクラスメイトである彼は、秀帆に黙っておく見返りにセフレまがいの関係を強要してきて、心ならずも承諾する羽目に。
同じころ通学時に乗り降りする駅に、だれでも利用可能な〝伝言板〟というツールが設置された。莉音は仮称Xと名付けた人物と伝言板を介してメッセージをやり取りするなかで、行き場のない恋心が救われるように感じ、そして──。
※同作はfujossyにおいて完結ずみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-09 21:48:22
6367文字
会話率:35%