逃げたくない。
だって何も、悪いことはしていないから。
大丈夫。忍がそばにいてくれるかぎり、蛍は大切なモノを見失ったりはしない。
わかっているから。自分にとっての『大切なモノ』が何なのか――。
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大学三年生の蛍は最近大
学内で嫌がらせにあっていた。きっかけは、ホモだと言われてそれを否定しなかったから。
実際、蛍には忍という同性の恋人がいる。だからそれを、否定できなくて。
じわじわと噂が構内に拡がっていく。
それでもくじけずに前を向く蛍に対する嫌がらせは徐々にエスカレートして――。
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闇社会の住人(要素は薄い)×大学生(不幸体質)
※『ようやく手に入れたモノ』の番外編になります。シリーズ未読でもお話はわかるようにしています。
※お話の時系列としては、『ようやく手に入れたモノ~『大切』のカタチ編~』終了後、『それぞれの日常』の『トラウマ』のあとから『本当に欲しいものは……』までの間のお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-07 00:48:13
117002文字
会話率:36%