6/29にあとがきの後に短編を加筆しました!
ひとつの幸せな未来の話です。
目が覚めたのは白すぎるほどに白い診療所の診察台の上だった。
近未来、臓器などよりも人の記憶に商品価値がつく世界。
青年は大事故にあった恋人を助けるために、自分の
全ての記憶と名前、戸籍などを売って資金を集めた。
青年に残されたのは名前の一部、“ヨル”という言葉だけ。恋人は大怪我によってここ三年程の記憶がなく、自分との記憶はすべて失われているらしい。恋人の家族や許嫁が駆け付けたが、君は会わなくて良いのかと尋ねられた。
ヨルは困ったようにほほ笑むだけだった。
「その人、ヨルのこと覚えていないのなら。そのほうが幸せ」
からっぽになったヨルは恋人にも会わずに診療所を出ていった。
暁の空の下、すべてを捧げたヨルがささやかな幸せを得るまでの話。
※概念クズ男×不憫平凡
酷いことは過去編にかしかありません。
本編は三時間トライで書き上げた作品です!本編約8000字。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-24 07:08:54
8615文字
会話率:29%