俺が市場で油を売っていると、前に立った奴隷の女が、目からぽろぽろ涙を流しながら俺を見てた。じゃなくて、俺がらくだの鞍にぶらさげていた、緑色のガラスの小瓶に入った高級アーモンド油を見て泣いていたのだった。油の行商人と、亡国のお姫様のお話。
一年前、「小説家になろう」に投稿した
『かまど係のお姫様と油売りの男の話』
https://ncode.syosetu.com/n8046fy/
の男性サイドの話です。
注1;R18描写のある回には題名に☆をつけています。
注2;最終話に、挿絵として現地で撮った写真を入れました。ご覧になりたくない方は、非表示にする設定など活用して、楽しく読んでいただければありがたく存じます。
BGMにどうぞ;
Águas De Março · Elis Regina · Antonio Carlos Jobim
https://www.youtube.com/watch?v=BnB1G63XvCQ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-07 20:00:00
10663文字
会話率:29%