「 はあぁあああああっ!?」
「 嘘でしょぅおおおっ!?」
そこは駅前にある所謂(いわゆる)待ち合わせスポットである。
その中央にあるベンチにため息と共に、がっくり、と腰を降ろした男と女。共に仕事終わりと思われるビジネススーツ姿である。
「おい、おい、おい、三週連続ドタキャンって……勘弁してくれよぉっ!?」
「仕事が長引いてドレスアップする間もなく駆け付けたっていうのに、このタイミングでドタキャンっ!?」
それ程大声で愚痴った訳では無かったが、坐った位置が隣同士であってみれば、おのずと声は聞こえた。
何気に振り向いた二人が思わず似たような声をあげる。
「えっ? ……もしかして邨木(むらき)先輩っ?」
「あれっ? ……もしかして和(やまと)くんっ?」
先程お互いに〝愚痴った〟言葉を思い出して幾分照れ臭そうに視線を泳がせる二人。
しかし、数瞬の後 ――
「や、和くん……ヤケ酒に付き合いなさいっ! ……どうせ あなたも花金(死語)だというのに予定が無くなったんでしょうっ?」
卒業後二年振りに合った先輩の〝圧〟に気圧された後輩が連れていかれたのは色気もへったくれもない居酒屋のチェーン店であった。
それから小一時間あまり。酒の勢いを借りて互いの相手の悪口を言い合って、幾分気持ちに余裕を取り戻した二人だった。
そうとなれば、互いの相手と久し振りに〝イタス〟予定だった昂りを思い出す。
「うぬぬぅ!?……この三週間、貯めに貯め置いたチンポの〝昂り〟を どうしてくれるんだっ!?……ううむぅ、風俗行って、抜くしかないかっ!」
勿論、女子にだって性欲はあるし、思いは同じであるとも言えたが、流石に後輩の意見に頷くを得ず。
「こ、こんなトコでそういうコトを言わないのっ!」
「だって、三週間も我慢させられたんすよっ!」
幾分声を落として〝愚痴る〟龍朗(たつろう)に泉流(いずる)も、グイっ、とジョッキをあおって、つい、〝本音〟をこぼしていた。
「わたしだってさあ、ドレスに着替える時間はなかったけどぅ、下ろしたての〝勝負ぱんつ〟だけでもと穿き替えてきたのにぃ……む、無駄になったわよぅ!」
泉流は、がくっ、と肩を落として続けた。
「手洗いして、箪笥の肥やしね…」
「えっ? ……次のデートで穿けばいいじゃないすか?」
「莫迦ねぇ……〝下ろしたて〟ってトコに意味があるのぅ……」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 05:40:00
10398文字
会話率:50%
いま、屋上の給水塔の陰で、俺の親友の加茂 祐輔(かも ゆうすけ)の彼女であり、学年一位の美少女でもある葦沢 カロリーヌ 璃苑(あしざわ かろりーぬ りおん)が俺に跨って、あん、あん、言ってるんだがっ!?
何故そうなったかって?
今か
ら三〇分ほど前の事だ。
放課後、俺はいつもの屋上の指定席で時間を潰していた。
彼女の織戸 幾ゑ(おりと いくえ)は学級委員長なので毎日学生会の仕事(押しつけられた雑用とも言う)があって、俺は待っていなければならない。
先に帰ろうモノなら、絶対に幾夜ママ(幾ゑのママ)が俺の部屋まで『説教』に来るからだ。お隣さんというのも結構やっかいなモノだ。
しかも、最近の『幾夜ママの説教』は〝性的な意味合いのある〟方向になりつつあるのが大問題なのだ。幾夜ママは娘と違い巨乳の美人さんなので、俺としては嬉しいかぎ……いや、大弱りなのだ。
―― で、天気も良いし、身体を伸ばして、うつら、うつら、していたらいきなり俺に跨ってきた奴がいた。しかも、顔の上に被せていた雑誌を押さえてやがる。
まあ、何故か女だと俺の直感が教えてくる。
いや、股の上に跨られたら、それが野郎の学生ズボンか、あるいは女子のスカートの中身(パンツ、とも言う)かは〝感触〟で判るだろう?
そして、幾ゑじゃないのは判っている。学院での幾ゑはこんなエロイベントは起こさない(自宅ではもっとエロエロだが……(笑))。
軽かったし撥ね退けても良かったのだが、俺を脅かした〝罰〟を与えなくてはいけない。俺に跨って顔(の上の雑誌)を押さえている相手(想像上では美少女)の胸の膨らみ目指して両手で、もみ、もみ、攻撃を繰りだした。
「くひゃあ ☆彡 ※ ◎×♂§☆っ!?」
意味不明の悲鳴(?)をあげて雑誌が吹き飛んだ。
「ひゃに、ふんにょほ、ふけへっ!?」
「意味不明だぞ、葦沢 カロリーヌ 璃苑っ!」
「ふ、ふ、フルネームで呼ぶな、助平っ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-27 18:10:00
4631文字
会話率:40%