恋なんて、ぜんぶ妄想で十分――そう決め込んで、ひきこもりながら溺愛えっちな小説を書いているわたし、シュリ。
現実の男なんて、どうせみんな性格悪いし、地味で胸がちいさいわたしなんて見向きもしないだろうし……。だからわたしは、妄想のなかだ
けで完璧なヒーロー〈レオン〉に甘やかされていれば、それで良かった。
――なのに、なぜかある日、妄想そのままみたいなイケメンが現れてこういったのだ。
「おまえが書いたんだろう? おれが、おまえのことを大好きで仕方ないって設定を」
えっちで強引で、ちょっと意地悪。でもときどき優しすぎるなんて反則――! まるで妄想そのものみたいなかれは、現実にも甘くて淫らな溺愛をくれるらしい。
これは、妄想と現実の境界がとけていく、恋と自己肯定の再生物語。ラストには、わたしが書く「妄想小説」のストーリーも、きっとハッピーエンドになったりするかも――。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 15:13:05
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