吸血鬼は魔族の中でも臆病だ。不死身、無限の魔力などと世間では恐れられているが、それは間違っている。なにせ弱点が多い。にんにくも銀も流水も太陽の明かりも十字架もダメなのだ。昔は多く存在していた吸血鬼も、面白半分に狩猟され、みるみるうちに数を
減らすはめになった。
いつしか御伽噺にしか登場しなくなった吸血鬼、しかし、彼らは未だに結界の中でひそかに生き残っていた。今日も誰も知らぬところで吸血鬼の犠牲者が生まれる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-15 22:51:44
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会話率:35%