ずっとこの世に二人ぼっちだった。互いがいるから互いは一人ではなかった――と思っていたのはもしかしたら自分だけだったのだろうか。
アキは幼馴染のレイを誘い、故郷を出て街に移り住んだ。アキはレイをとても好きだった、当然のようにずっと一緒にいら
れると思っていた。この先も二人でずっと暮らせるように頑張っていたつもりだった。けれどレイはあっさりアキを置いて一人で旅に出ていく。なんでもわかってくれていると思っていた、いつでも通じ合っていると思っていた。それはアキの独りよがりだったのだろうか。
――現代人と似た感性の人たちが普通に暮しています。現実と共通の要素もありますが、存在しない動植物などもあります。さほど工業的には発達しておらず、手仕事でみんな暮らしています。そんな異世界に生きる、普通の若者の日々です。
「化石が宝石になるためには」という完結済小説の、別側面の話です。そちらとは主人公が変わります。こちらだけで一つの話として読めますが、一緒に読んでいただけると色んな事情が分かってお楽しみいただけるかもしれません。
今のところ性描写はありません。
ノベルアップ+様にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 18:00:00
13958文字
会話率:19%