いつも遊んでくれるお兄さんとお出掛けをしたあの日のこと。
あれは夢じゃなかった。夢だと思いたい。
電車での一瞬、いや、長かったのか、短かったのか、記憶はうすい。
けど、確かにあった出来事。
満員電車で手を繋いだボクは、お兄さんと離れないよう
に必死だったんだと思う。だから、抵抗ができなかったんだと思う。
しなかったんじゃない、できなかったんだ。
ボクは電車と人の波に押されながらも、お兄さんの手を掴む。
大丈夫、お兄さんがついてる。
あ、あれ、誰かがボクのことをさわってきてる……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-20 17:00:00
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