ディストピアもの。
残酷・退廃・あらゆる差別を想起させる表現を含みます。
ご注意の上閲覧ください。
2200年代。世界は晩婚化と少子化の極み。
これを憂いたいくつかの国は遺伝子法を制定した。
「未来の人類へ遺伝子の質を担保する。若い内に子
供をつくりなさい」
つまりテイのいい、強制結婚の法律である。そして脅迫的でもあった。
採用する多くの国では国土が二分されており、「アンダー」と「天地」に別れる。
天地で生まれた子供は小学生から親元を離れ、30歳までの青年が暮らすアンダーで生活。
30歳までに生殖パートナーを見つけて結婚すると、天地でその後の人生が待っているのだ。
しかし結婚が出来ない者は処理、すなわち処刑されてしまう。
多くのカップルが慎重に相手を見極め、結婚を約束し、天地へと赴くようになった。
結婚をしない者、出来ない者達は、遺伝子法に反対する国へ亡命してゆく。
こうして人類は調律を取り始めた。効果は覿面だった。
しかしときに、悲劇が起こることもある。
もし、当たり障りのない相手と死なないための結婚を選んだ女性が、婚約の直前に理想の相手と出会ってしまったら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-14 23:54:14
5095文字
会話率:67%