※拙作「ロック音塊中毒少年群:RGF side(https://novel18.syosetu.com/n3192ik/)」と対となる、「TBP side」ですが、どちらを先に読んでも良いように書いております※
悲惨な家庭環境で育った青
年、谷津いおい(やつ・いおい)は、今はカルト的人気を誇るバンド、The Blue Print(ざ・ぶるー・ぷりんと)(以下「ブルプリ」)のフロントマンとして多くのファンを持っていた。
いおいは、「男性のミュージシャンと肉体関係を持つと相手の音色が自分の中に入ってくる」という自らの特異体質に気付き、好みの音を見つけると、その美しさで次々と『音を引きずり込んで』いた。
しかし、ひとりだけ、いおいがいくら口説いても乗ってこない男がいた。
「おまえ、演技は上手いけど嘘は下手だね」
そんな風に子供扱いされながらも、いおいはそのギタリストと交友を続けていた。
一方で「ブルプリ」のギターを担当する神谷隼士(かみや・しゅんじ)は真剣にいおいを想って身体を重ねていたが、いおい本人は神谷を『ペット』と認識している。
——いくら身体が汚れても、オレの才は汚れない。
そう信じて身体を売って生きてきたいおいは、唯一落とせなかったギタリストとどう関係を発展させていくのか? そしてそのギタリストの「甥っ子のバンド」を見に行ったいおいは何を感じたのか?
fujossyで連載している「ロク音中」の、第二部「ブルプリ篇」を完全にリライトしました。
ここでしか読めない「いおい様」をお楽しみください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-22 01:54:27
10445文字
会話率:44%