時を越えて燃える灯──
これは、語られなかった「火の継承譚」。
かつて火を神聖視したゾロアスターの聖地アゼルバイジャン。
現代の日本に生きる若者たちの胸にも、
形なき灯はひそやかに揺れていた。
**
古代と現代、男と男、心と身体。
制
度では測れない「交差」があった。
灯を交わしただけで、罪とされる時代があった。
けれど灯された火は、消されても、残った。
名を持たず、許されず、それでも受け継がれた。
**
これは、
“交わり”の奥に生まれた灯が、
「語られなかったまなざし」を通して、
幾世代の魂を渡っていく物語。
**
裁きに抗えなかった者たちの沈黙が、
いま静かに、言葉になる。
たしかにここに、「火があった」と伝えるために。
**
──それでも灯は、渡された。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 11:58:38
10205文字
会話率:13%