ひとり暮らしをしている小柄な管理人・二階堂真緒のもとに、ある秋の日、190cm超えの大学新入生・藤澤律が越してくる。
「お姉さんみたいに接すればいい」
――そう思っていたのに、彼の素直で真っ直ぐな距離の詰め方が、じわじわと真緒の心を乱して
いく。
年上として、管理人として、自分はちゃんと「大人」でいなければ。
けれど、夜の静けさ、布団のぬくもり、ふいに触れたその手に、心は簡単に揺れてしまう。
五日間のすれ違い、玄関先の涙、そしてふたりきりの午後。
何気ない日常の中で、少しずつ変わっていく関係と、壊れそうな心の距離。
これは、小さな大家さんと、背の高い下宿人が織りなす、
「まだ恋じゃない、でも確かに惹かれていく」
――そんな、甘くて痛い、距離感ラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 21:16:21
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会話率:21%