女神の呪いにより人間は消えうせ、世界には獣人の雄だけが生き残っていた。種族の存続のためには危険を冒して獣の雌を狩り、それを孕ませなければならない。そんななか、人魚の雄だけがどの獣人の仔でも孕めるという噂が流れる。ひっそりと暮らしていた人魚の
仔はその噂に翻弄された養い親を海賊に殺され、自身も海賊の囚われとなる。養い親の仇を討つと心に決めて海賊と生活を共にする人魚の仔の冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-14 12:00:00
10089文字
会話率:50%
和菓子屋『漉(ろく)』のもらわれ子である勢野朔(せやさく)は十五にして養い親である祖父を亡くし、斎場の隅で途方に暮れていた。行くあてのない朔の前に現れたのは闊達な雰囲気ながらも気品ある精悍な面立ちの少年――奉膳広樹(ぶんぜひろき)だった。彼
は『奉膳の若様』と呼ばれ、茶の湯の文化が残る山瀬市が六万石の小藩だった頃、殿様としてこの地を治めた家の直系の末裔だ。「じいちゃんになにかあって、困るようなことがあったなら、『奉膳様』を頼りなさい」。祖父にそう言い含められていた朔は、広樹に救いを求めるが――
※にはR18描写が入ります。
十七話までは他サイトにて掲載していたものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-20 13:34:08
79335文字
会話率:40%