試練=異種姦 ノクターン・ムーンライト　更新情報検索

男は憂いていた。 己の弱さを、部下の不甲斐なさを。 ライバル組織と対峙した際にあまりにあっけなく陥落され、切り札を着る前に蹂躙されたのだ。よもやここまで我が組織が不抜けていたとは……。 いや、弱点を突いてきたに過ぎぬか。 独りごち、深いため息は部屋に溶け込む。 ならばその惰弱性を見直さなければならぬか。 背もたれに体重をかけ、ぎしり軋む椅子にお互い長い年月を過ごしてきたなと思いに耽る。 目の前には山のように積まれた資料の束。 その隙間からは一人の女がこちらを伺っていた。 「ああ、居たのか」 姿を捉え、呟く。 呼びかけられた女は直立不動のまま口を開き、今日のスケジュールを淡々と述べていく。見目麗しい造形だが、言葉を紡ぐ彼女の口からは情が感じられない。 いや、そう作ったのだ。 若かりし頃の私は愚かであった。 数多の才があり、自惚れていたのだ。 文句もなくただただ仕事をこなす者をパートナーに置き、そして今に至る。 すべては順調だった。 いや、初めから間違っていたのかもしれないな。 間違えたら正せばいい。 自分にはその力があるのだから。 男は目標を定め、言葉に意思を乗せる。 男、神は目の前のパートナー、女神に告げる。 「天使を鍛え直すぞ！ １から徹底的にな！」 女神は言葉を紡ぐこともなく、頭を下げ、部屋を出る。 神はそれを見送るとライバル組織、邪神の常套手段である快楽について情報を集めた。何を用いればそれに対抗し得るか。 数刻悩み、一つの答えを導き出す。 快楽に対抗するには快楽になれさせるしかないか―――ならばっ。 神は天使に試練を課した。 この試練を見事合格せしものには一つ、希望を叶える。 それとともに世界を一つくれてやる、と。 それこそが悲願であると、意識をすり替える。 創造主なればこそできる暴挙だ。 もはや手段は選んでいられなかった。 前回の敗北でもってこちらの弱点は露呈されてしまっている。 奴らはまた同じ作で来るであろう！ ならばそれに乗り次こそはその上で勝って見せる！ 神は自ら考えたプランを実施させ、戦力強化を図る。 快楽が何かもわからぬ初な天使にその無茶ぶりが如何に過酷であるかも知らずに。 それから3000年――― 未だその試練をクリア出来た者はいなかった。 過去作のリメイクです。 不定期更新。 ★はエロ描写折りたたむ>>続きをよむ