時は西暦2070年代後期、人類の科学技術は飛躍的な進歩を遂げていた。絶えることのない戦争は兵器技術の革新を促し、希薄化し変質した生命倫理はそれに拍車をかけた。その結果として生まれたのが、生身の兵士や既存の火力・装甲兵器に代わる生きた兵器、代替生体兵器(Alternative Bio Weapon=ABW)と呼ばれる技術である。ABWを研究する機関は世界各国にいくつも存在し、兵器産業における需要は止まる処を知らなかった。その中で最も大きなシェアを占めるのが、世界有数の大企業であるクレインズカンパニー。
物語はその傘下にある研究所、そこで発足した1つの計画から始まる。それは幼くして実の両親の人体実験の犠牲となり成長した女性の、歪んだ感情の成れの果て。
―――造られた少女たちの数奇な運命は、一人の女の理想と執着によって動き出す。―――折りたたむ>>続きをよむ