貴族の次女として、静かに暮らすはずだったサフィーナ。
だがある日突然、帝国の王太子アルヴェルトからの「求婚宣言」を受ける。
なぜ私に? どうして? ……そう思った時にはもう遅かった。
気づけば、縁談は潰され、友人は引き離され、使用人も屋
敷も、彼に囲まれていた。
彼の手配した侍女、彼の命じた香水、彼の好む色のドレス。
選択肢さえ与えられず、ただ甘く、深く、狂おしいまでに囲い込まれていく。
「大丈夫。君が考えなくても、全部私が決めてあげるから」
逃げられない、でも抗えない。
優しい檻の中で、サフィーナはじわじわと彼に壊されていく――
愛という名の、支配と甘やかしに。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 19:54:31
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会話率:36%