(なんであたしが、こんな子供の面倒をみなきゃいけないの……)
スマホのマッチングアプリで約束をしたハナちゃんだったが、待ち合わせ場所に現れたのは明らかに高校生ぐらいの女の子だった。
それを証明するかのように、テーブルを挟んで座る紫――アプ
リの登録ネームである――はワインではなくオレンジジュースを飲んでいる。
“あしながおじさん”になってくれそうなナイスミドルとマッチしたはずなのに、どうしてこうなるのか。
もちろん待ち合わせの場で抗議はしたが、お日様の下で知能指数が下がったハナちゃんは結局流されてデートを続けてしまった。
様々な遊び場を引っ張り回され、支払いはどれもこれも歳上であるハナちゃん持ちだったのだ。
そして、日の沈んだ今になってようやく不満を燃やし始めていた。
(本文より)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-31 18:58:00
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