四月初、桜が咲き乱れる午後。
俺は大学の入学式を終えたばかりで、今日から新生活が始まる。
新居は2LDK──ちょっと背伸びした間取りだけど、理由がある。
そこには、俺より二つ年上の彼女──幼なじみであり、そして“姉”のような存在だった彼女
がいた。
彼女は昔から強くて優しくて、俺が泣いている時も、悔しくてふてくされてる時も、
いつも後ろから黙って抱きしめてくれるような人だった。
「ほら、あんたは男の子なんだから」って笑って、
俺の頭をポンと撫でて、全部包んでくれた。
……そんな彼女に、高校卒業前の春、俺は勇気を出して告白した。
「俺、もう……姉ちゃんの背中に隠れてるだけのガキじゃない」って。
驚いてたけど、彼女はゆっくりと頷いてくれた。
それが、俺たちの“始まり”だった。
そして今日。
引っ越しを終え、夜には簡単なコンビニ弁当を食べて、それぞれの部屋へ。
俺はシャワーを浴びながら、何度も心を落ち着けようとしていた。
──もしかしたら、今夜。
彼女が、俺を“男”として受け入れてくれるかもしれない。
そんな期待と不安が入り混じる中、シャワーの音をかき消すように、
彼女の声が、扉越しに届いた。
『……ねえ、今日……一緒に寝てもいい?』
その瞬間、心臓が跳ねた。
彼女は、いつものように俺の不安を見透かして、
そっと導いてくれる。
けれど、今夜だけは──
俺が、“男”として彼女を抱きしめる番だ。
浴衣姿の彼女は、どこか恥じらいながらも、
確かに俺の言葉を受け止めてくれた。
「……今日、君の全部が欲しい」
彼女は微笑みながら、唇を重ねてきた。
その体温に包まれた瞬間、俺はもう、何も怖くなかった。
初めてのキス。
初めての愛撫。
初めての挿入。
そして──初めての「絶頂」。
拙く、ぎこちなく、でも懸命に。
何度も失敗して、彼女に甘えて、それでも最後まで繋がれた夜。
彼女の中で果てた瞬間、俺は心の底から思った。
──ありがとう。
こんな俺を、ずっと見守ってくれて。
「これから……君に相応しい男になるよ」
そう囁いた俺を、
彼女は静かに後ろから抱きしめて、
耳元で、そっと囁いた。
『……あなたはもう、私が一番頼りたい人だよ。』
春の夜風が、窓の隙間から香っていた。
新しい生活の始まり。
それは、二人だけの“初めて”を分かち合う、甘くて切ない夜だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 20:00:00
7978文字
会話率:14%
【荒筋】
表題通り。
【作風】
海外小説の翻訳風のなんか胡散臭い言葉遣いやセリフ回しがちょいちょい出てきます。
ちょっとずつ盛り上がるのが好きなので、最初はまどろっこしいと思います。
【注意】
作者は設定廚のため、あれこれ下らない外縁情報多
めです。
ハートマーク嫌い。隠語、エロ語も苦手です。ご容赦を。
場面転換ごとに数字で区切って割り振りましたので、一節ごとの長さはまちまちです。
【一言】
全ての設定、状況、展開がただただ美人少尉さんをぐちょぐちょにするためだけに設計されております!
【言訳】
初投稿につき、乱筆乱文なにとぞご容赦くださいませ。
【追記】
画像挿入が面白そうなので「どんなものか」といくつかテストで上げてみました。
ラフ画を軽く清書した程度の簡単な線画です。ご容赦を。
苦手な方はお手数ではございますが、画像表示OFF願います。
画像ある節にはサブタイトルに★マークつけておきます。
【さらに追記】
2022年12月より、ちょこちょこと内容の修正を入れていきたいと思います。
今のところ内容に大幅な変更を加えるつもりはありません。
改めて読み返してみて思いましたが、へたっぴながらも「とにかく書きたい!」って気持ちが伝わってきて、「あの時俺はこの話がマジで書きたかったんだなぁ」とうれしくなってしまったためです。
「言いたいことはよくわかるから、もう少し読みやすくしようか」って1年半前の自分の手助けをしてあげるような気分です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-02 20:00:00
249778文字
会話率:30%